時代の流れ 2011 5 3
時代の潮流は変わるのか。
「オサマ・ビンラディン、死亡」というニュースを聞いた時、
最初に思ったことは、
「アメリカは、国防予算の削減に本腰か」ということでした。
予算を獲得するには、特に増額予算を獲得するには、
誰もが納得する「大きな理由」が必要です。
それが、「対テロ戦争」という理由でした。
次に、思ったことは、
やはり、ビンラディンは、「過去の人」になってしまったということです。
最近起きた、チュニジア革命、エジプト革命は、
民衆による、非暴力の革命でした。
こうした新しい潮流は、
暴力による社会改革を目指した活動を古いものにしたと言えるでしょう。
暴力革命から非暴力革命へ変わってきている潮流が、
ビンラディンを「過去の人」へ変えたのです。
にもかかわらず、一部には、アルカイダとの戦いを、
独裁体制や強権政治を維持するための「理由」に使った政治指導者もいました。
アメリカのパワーは、中東から東アジアにシフトするかもしれません。
それは、軍事、宗教、民主主義という観点からです。
21世紀において、中国軍の台頭は、もはや誰の目にも明らかになっています。
中国には、二つの指導力がそびえ立っています。
それは、政治勢力と軍事勢力です。
もう政治家が軍をコントロールすることは、困難になりつつあるでしょう。
どんなに優れた政治家でも、巨大化した軍をコントロールできなかったことは、
歴史が証明するところです。
アメリカというと、民主主義の大国を連想するでしょうが、
実は、アメリカは、宗教大国です。
やがて、「無神論国家」対「宗教国家」の動きも出てくるでしょう。
こうした動きは、イスラム圏からも出てくるでしょう。
ビンラディンの原点は、ソ連によるアフガニスタン侵攻です。
無神論国家がイスラム国家を占領したことは、
ビンラディンだけでなく、多くのイスラム教徒にとって衝撃的だったでしょう。
それは、異教徒(キリスト教)の占領よりも、大きな衝撃を受けたと思います。
今は、ムスリム(イスラム教徒)の関心は、
アメリカ、イスラエルに向いていますが、
やがて、中国に向くことになるでしょう。
なぜか。
宗教指導者にとって、無神論国家は、脅威に感じるでしょう。
それが中小の国ならば気にならなくても、
大国どころか超大国になっていくとなると、
大きな脅威と危機感を感じるようになると思います。
やがて、対中国との戦いが始まると思います。